恩師

恩師って、先生のことだよねぇ・・・？

でも、私にとって、恩師みたいなおじいちゃんがいました。

そうですね。もう14年前の話。

私、車会社の営業に就職しました。
初めてくらいのお客様で、本当に、ポッと来店して車を買われたご夫婦。それが、善右衛門さんでした。

ちょっと辛口で、怒る時は怒ります。でも、自宅へ行くと「今年のナスは・・」
と、お庭に小さく作ってある菜園のお話をしたり、ニコニコ話をしてくれました。

そのうちに、息子さんのお車も、買ってくれました。車に関することは、全て私にまかせてくれるようになりました。
家族のお話も、してくれるようになりました。
セールスにとって、これほどうれしいことはありません。

それが、8年間続きました。
私は今の主人とお店を出したかったので、しばらくエステの修行をしなければいけないと思って、
仕事をしながら資格をとって、会社を辞めました。

でも、その時、「また車を買いたい」との善右衛門さんのお話と、せまる退社日が、私を悩ませました。
「どうしよう・・・言えない。こんなにうれしそうにしてくれているのに・・・」

注文を頂き、納車間近にやっと、伝えました。
自宅へ行き、でも善右衛門さんのお顔を見たとたん、声をだして泣いてしまいました。
善右衛門さんは
「なんでぇ。泣くなって」
それがまた、つらかったのです。裏切ったような気持ちでした。

泣きながら足つぼを、へたくそな足つぼをして帰りました。

あれから6年・・・。引継ぎをしたセールスから、
「ぎんぎんちゃんを、善右衛門さんが、心配している」と、電話がありました。

癌を半年も患い、病院で「ぎんぎんちゃんは、大丈夫かなぁ」と。

翌日、教えられた病院へ行きました。
見違えるほどの姿でした。
口調は相変わらずですが、あきらかに衰えていました。

そんな姿を見るのもショックでした。
でも、奥さんと、お嫁さんとお話をして、善右衛門さんに御手紙を渡して帰りました。
「字をみるのもつらい」
そういう姿をみるのはつらかったです。でも頑張って、泣きませんでした。
夏のことです。

あれから、私のつわりやこどもの病気でなかなか足を運ばないうちに先日。
亡くなったとの連絡がありました。

ひとは、亡くなった後によく考えます。
あのとき、もっと何かできなかったのか。もっとお見舞いにいけなかったのか。

まだ、お線香をあげにいっていません。
何を善右衛門さんに話そう。
善右衛門さんの写真をみれるだろうか・・・。
お母さんの顔をみて、泣いてしまわないだろうか。

コメント 1

(:_;)・・・・・ginさん・・・・

善右衛門さん・・・ginさんの事、とても可愛がってくださったんだね。
ごめんね・・・ginさん、泣かないで我慢してたのに、
あたし・・・涙が止まらないよ・・・

泣きながら、足つぼマッサージ・・・
ginさんのそんな人柄が、善右衛門は可愛くて仕方がなかった
んでしょうね。
病院に会いに来てくれて、きっとすごく嬉しかったんだと
思います。

こんなに素敵な恩師がいる、ginさんが羨ましいです。
二人の大切な思い出に、niceをおさせてください。

会いに行って、色々お話しておいで。
きっと『おぉ(^^)来てくれたか！』って、喜ぶよ！
by うっちぃ (2008-11-28 22:31)